タイプリュータ突撃インタビュー

ツエーゲン金沢は、本気でJリーグ昇格を目指しているーーしかし、今の状況で本当に昇格できるのか?正直なところ、ツエーゲンはどうなのか?わたくしタイプリュータは、数名の革命戦士を引き連れ、ツエーゲン金沢の事務所へ乗り込んだ。全国のツエーゲン金沢サポーターの心を代弁すべく、突撃インタビューを敢行!
サポータの目線で、サポーターが聞きたい正直なところを聞いてみた。

ツエーゲン金沢・営業企画部 統括部長 嶝 和晃(さこ かずあき)氏。インタビューバトルが幕を明けた。

今シーズンの不調について

タイプリュータ(以下、タイプ):いきなり失礼な質問で申し訳ないのですが、前期は終盤まで4位以内をキープするなど強いツエーゲンらしさが出ていたかと思いますが、今期は序盤から12位と苦戦されていると思います。

嶝(さこ)和晃氏(以下、嶝氏):まだまだシーズン始まったばかり。クラブスタッフとしてはスタジアムを盛り上げて、チームを押し上げていきたいですね。これから期待してください。

タイプ:なるほど。まだ、シーズンは半分以上残っていますから、これからの巻き返しに期待しています。

設立当初からJFL昇格まで

タイプ:次にツエーゲン金沢の設立当初のことについてお聞かせください。

嶝氏:ツエーゲン金沢は、金沢サッカークラブが母体となって設立されました。そこからJリーグを目指して頑張ろう、ということで発足しました。その当時の方のお話では、たくさんの苦労があったようですが、チームとしてひとつにまとまり開幕を迎えたと聞いています。またボランティアスタッフの皆さんの力強い支えもありました。

タイプ:金沢SC時代には北信越リーグで優勝を経験されていますしね。

嶝氏:そうですね。
皆さんの支えがあってスタートしたクラブですが、チームの開幕戦は津幡運動公園陸上競技場で7−0という結果で大勝しました。第2戦もなんと7−0の大勝。スタジアムは盛り上がったと聞きました!

タイプ:2戦連続で7−0!もう昇格したも同然じゃないですか!

嶝氏:当時のサポーターさんのお話では、2連勝することですごく盛り上がったみたいです。しかし、第3戦は松本山雅FC(※1)に負けてしまい、その年は結局4位に終わりました。

※1 松本山雅FC:
長野県松本市にあるサッカークラブ。2012年度、JFLからJ2へ昇格した

雪国のチームの苦悩

タイプ:金沢の冬季は雨や雪が多く、屋外での練習が困難かと思います。どういった形で、練習時間を確保されているのでしょうか?

嶝氏:確かに、雪国では冬シーズンになると屋外の練習場は使用できなくなります。現状では、体育館などで体力作りなどをメインに行うようにしています。

タイプ:しかし、北陸では3月でも多く雪が降ると思います。それでは、シーズン開幕に間に合わないのではないでしょうか?

嶝氏:雪国のどのチームも同じことですが、ボールを使っての練習が十分にできなければ、チーム強化は難しいものです。そこは知恵を使って乗り切っていくしかありません。温暖な地域でのキャンプの実施はひとつの有効な対策ですが、冬シーズンすべてをキャンプに充てる資金は現時点ではありませんので、できる環境で最大限の努力をし活路を見出したいと考えています。

タイプ:今年は特に厳しい冬でしたが、やはりシーズン前の調整に影響はありましたか?

嶝氏:今年は2月初旬に和歌山、中旬に静岡でキャンプを行い、3月からは石川で調整を行う予定でした。しかし、3月も雪が降る日が多く、シーズンに向けて調整が難しい環境でした。
しかし、それがシーズンに大きな影響を与えないように、チーム一丸となってさまざまな想定の中で動いていたため、一時的な積雪の影響はそれほどないと思います。

タイプ:北陸のチームである以上、ついてまわる問題かと思います。なにか、具体的な対策などはありますか?

嶝氏:はい。当然のことですが、より長期間実施できるキャンプ場の選定、練習環境の改善、シーズン開始までのスケジューリングなど、クラブとしてすべて細かく計画していくことが重要ですね。
将来には、十分なスペースのある室内練習場ができればいいですね。

ツエーゲン側に対し質問を投げかけるグランゼーラ革命軍 統合作戦本部一般参謀 タイプリュータ。ちなみに奥は、自称ビンワンマネージャー ツー・シム・ラー。

新生ツエーゲンの目指すところ

タイプ:ツエーゲン金沢は、一言で言うとどんなクラブを目指していますか?他のチームにこれだけは負けない!という点についてお聞かせください。

嶝氏:今年のクラブスローガンは「気炎万丈(燃え上がる炎のように非常に意気盛んであること)」です。選手もスタッフもともに熱い情熱をもって、石川全域にその熱が広がっていくクラブを目指しています。

タイプ:なるほど、いいですね!(と少し前のめり気味に)

嶝氏:スポーツを通じて、地域に貢献することが私たちの役割です。

チームとしてひとつになることを目標とし、チームワークを主眼に置く

ツエーゲンのサポーターについて

タイプ:では次に、ツエーゲン金沢のサポーターはどのような方が多いですか?

嶝氏:サポーターの皆様には大きな心でチームを支えていただいています。勝ち負けに関わらず、次への声援をしていただくことは本当に感謝しています。

タイプ:それでも、サポーターとしては負けてしまっては悔しいと思います。だからといって野次を飛ばしても仕方がないので、結局言えることは「頑張れ」の一言だと思うのです。

嶝氏:その通りです。サポーターの皆様に、喜んでいただけるようにクラブとして取り組んでいきます。

タイプ:ありがとうございます!続いて、今後もサポーターの拡大に力を入れる事と思います。どういった形で、サポーターを獲得していくのでしょうか?

嶝氏:広くスタジアムに足を運んでいただくため、さまざまなイベントを開催して、いわゆる「お祭りムード」を強く打ち出しています。親子連れや友人同士でも気軽に足を運んでいただける仕掛けをどんどんしていきたいと考えています。

タイプ:確かに、以前観戦した際には、親子連れが多かったように記憶しています。

嶝氏:親子で日曜日にサッカー観戦いただくことは我々にとっても本当にうれしいことです。

真っ赤に染まるツエーゲン金沢のサポーター席。スタジアムすべてが真っ赤に染まる光景が見られる日も近い?
筆者もよく仕事帰りに買い物をする、イオン示野(しめの)店で行われたアピールイベント。チームを知ってもらうためのイベントが県内各地で行われている。

Jリーグ昇格への壁

タイプ:Jリーグ昇格のため、現在奮闘されている最中だと思います。昇格のためにクリアしなければならない課題について教えてください。

嶝氏:やはり、なんといってもまずは2位以内に入ることです。今年は条件が厳しくなりましたが(※2)、これは達成しなくてはなりません。

タイプ:その点は、非常に注目しています。やはり勝っていただかないと。

嶝氏:もちろんです。チームは常に勝利を目指し、それと同時に、クラブスタッフは全員で地域を歩き、魅力を訴え、サポーターを増やす働きかけをしていきます。

タイプ:確かに、チームが勝つようになれば、自然とサポーターはスタジアムに足を運びますね。他に課題はありますか?

嶝氏:スタジアムの改修も必要とされています。ピッチや屋根、部屋の数など事細かく決められていて、行政との調整が必要になっています。

タイプ:確かに、今のスタジアムでは足りない部分があるのですね?

嶝氏:現在のホームスタジアムである西部緑地公園陸上競技場は規定に満たない部分があります。改修に向けても、石川県内の多くの方に見にきていただき、地域が盛り上がっていく環境づくりは必要と思います。

タイプ:なるほど、サポーターとしては、地道にスタジアムに足を運ぶことが、Jリーグ昇格への手助けとなるのですね。

嶝氏:はい。多くのサポーターの方に見に来てもらえれば、選手のモチベーションも大きく上がります。ぜひ、スタジアムに足を運んでください。

※2 2011年度までは、J2昇格の条件はJFL4位以内だった。2012年度からJ2が定員の22チームとなったため、昇格条件が狭められた。

西部緑地公園陸上競技場、2万人を収容できるスタジアムだが、現状の設備ではまだJリーグには加盟できない

Jリーグへのロードマップ

タイプ:Jリーグ昇格を目指すにあたって、具体的にいつ頃という目標はありますか?

嶝氏:はい。まず今年(2012年度)ですが、リーグ2位以内、1試合の平均観客数3500名以上を目指しています。Jリーグ加盟に関しては、2014年度までにJ2昇格を果たし、北陸新幹線の開業をツエーゲンのJ2昇格で祝いたいと思います。

タイプ:ツエーゲンのJ2昇格と、北陸新幹線の開業。2014年度は、すごい年になりそうですね!(テンションが上がる筆者)

近い将来、世界中の人が「ツエーゲン金沢」というチーム名を知ることになるだろう

未来のファンタジスタを育てる

タイプ:続いて、津幡・能登にサッカースクールやジュニアユースを設立されたと聞きました。どのように力を入れていく予定でしょうか。

嶝氏:はい。最近ですと、能美市にもサッカースクールを開校しましたし、石川県全域でツエーゲンのサッカースクールが展開されるよう、少しずつ地域に根付いていきたいと思います。

タイプ:やはり、環境による差は大きいのですか?

嶝氏:そうですね。例えば、幼いころからデコボコのグラウンドでサッカーをしていた子と、整備された芝の上でプレイしていた子では動きや目線が違ってくると思います。

タイプ:将来、石川から日本代表選手が出てくるといいですね。

嶝氏:もちろん、それもひとつの目標です。

少年たちに熱心にサッカーを教えるクラブスタッフ。将来の日本サッカーを背負う選手が、この中から生まれるかもしれない

1万人チャレンジデーへの意気込み

タイプ:次の試合がある5月20日は1万人チャレンジデーですね。しかし、過去の1万人チャレンジデーは4連敗してますよね。

嶝氏:…そうなんです。せっかく多くの方に観に来ていただいているのに勝てないというのは、とても悔しくて。次こそは!ということで、弊社のFacebookにも、あえて4連敗しているという事を書かせていただきました。

タイプ:サポーターの正直な感想として、「ツエーゲンはホームで勝ってくれない」というものがあります。ひどい人になると、「アウェーゲン」などと呼ばれています。ホームゲームへの意気込みを教えてください。

嶝氏:クラブとサポーターが一体となり、ホームゲームでは勝利を全力で目指します。地域のみなさんに喜んでいただきたいと思います。

タイプ:私もいちサポーターとして、次の試合の勝利を信じて、もちろんスタジアムで応援するつもりです!ぜひ抱負をお聞かせください。(取材日はこの試合の直前、5月15日)

嶝氏:1万人達成はもちろんの事、対戦相手のV・ファーレン長崎(※3)には、昨年までツエーゲンでプレイしていたマイケル選手や古部選手がいますので、ぜひ勝ちたい試合です。

タイプ:因縁の対決というわけですね。

嶝氏:そうです。1万人チャレンジデーのイベントで勝ったことがないので、払拭してしまいたいです。

タイプ:それはぜひ勝っていただきたいですね。具体的に「何点取って勝つ!」というところまで宣言してください!

嶝氏:個人的な想いですが、3-0で勝利したいですね!(キッパリ)

タイプ:おぉ!すごい!これは当日期待出来ますね!

嶝氏:えぇ、ぜひスタジアムにお越しください。
(さて、嶝氏の想いは実現したのか? コラム“2012年5月20日 春の1万人チャレンジデー観戦記”をご覧ください)

※3 取材日(2012年5月15日)現在、ツエーゲンは12位、V・ファーレン長崎は3位(JFL17チーム中)

ツエーゲン金沢のマスコットキャラクター「ゲンゾー」。県の鳥であるイヌワシがモチーフになっている

サポーターのみなさんへ一言

タイプ:最後に、サポーターの皆さんに一言お願いいたします。

嶝氏:いつもチームのためにご声援を送っていただき、ありがとうございます。ツエーゲン金沢の活動を通して、クラブとサポーターのみなさまが一緒になって、喜んだり、悲しんだり、いろんな想いを共有できればと思います。地域の皆さんの誇りとなるクラブとなれるよう、選手・スタッフ一丸となって取り組んでいきます。今後とも応援よろしく願いいたします。

タイプ:ありがとうございました!

試合会場で、少年たちへサインをプレゼントする選手

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