ヨーロッパの美術館と見まごうような、ガラス張りの大きな建物。実はこれ、市役所の庁舎なのだ。こんな壮麗な庁舎を擁する市、その名は野々市市(ののいちし)。石川県の中部に位置し、面積わずか14㎢の小さな小さな自治体だ。つい最近まで「石川県石川郡野々市町」だったのだが、2011年11月11日に単独市制施行をなしとげ、「石川県野々市市」となった。そして筆者も、町民から市民となったのだ。
お詫びとお知らせ
これまで本連載「金沢ライフマップ」の文責を務めてきました私・菅次郎とタイプリュータですが、両人ともにこれまでの人生で金沢市に住んだことは一度もございませんでした。一部誤解を招きやすい表現にて連載してまいりましたことを、この場を借りて深くお詫びし上げます。
というわけで金沢ライフマップ記念すべき第10回目は、僕らの住む街、「野々市市(ののいちし)」を紹介だ!
単身者が住みやすい街ナンバーワン
ところで、「野々市」の名前は県外の方々にはあまり知られていないことと思う。金沢ほど有名な名所や名物は少なく、正直言ってあまり他県の人が来る用事はないかもしれない。にもかかわらず、野々市市はすばらしい魅力を持った街だと自信を持って主張したい。その魅力とはズバリ、住みやすさ。隣接する金沢市や白山市のベッドタウンとして発展を続けている野々市市は、「住みやすい街ランキング:街力」でも北陸・甲信越エリアで単身者層部門ダントツ1位(2012年3月現在)。特に「生活利便性」(※1)と「同年代比率」(※2)で抜きん出ているのだ。それでは、実際に住んでいる筆者が考える野々市のウリについて、4つのポイントに絞って紹介しよう。
- 子どもや若者が多く、活気がある
- せまい範囲に、たくさんの店や施設がある
- 家賃が安い
- 市内の隅々までバス網が網羅している
※1) スーパー・コンビニ・金融機関・駅・飲食店・ 本屋・パチンコ店などの密度
※2) 20~30歳代の単身者の割合
人口統計でみる、野々市市の住みやすさ
野々市の面積は 14㎢ほどしかなく、石川県で最も小さな自治体だ。この中に5万人以上もの人が暮らしており、 その人口密度は約 4000人/㎢。この数字は、本州日本海側の自治体の中で最も高い。
野々市市は、平均年齢が非常に若いのも特徴だ。全国平均 44.6歳、金沢市 44.3歳に対し、野々市市の平均年齢は 39.7歳。石川県の自治体の中で最も若い。それだけ若者にとって暮らしやすい街だといえる。
野々市市の注目スポット あなたならどこに住む?
そんな野々市市の中から、注目してほしいエリアとスポットをご紹介しよう。皆さんならどのエリアに住みたいだろうか。実際に入居者を募集していた物件の例も参考として挙げておくことにする。利便性に対する家賃の安さに驚いてほしい。
石川県の大動脈、国道8号線・金沢バイパス沿いに広がる一大商業地。近くには JR 野々市駅もあり、交通の要衝となっている。野々市からグランゼーラへ通勤する際も、きっと通ることになるだろう。
御経塚・二日市エリアの周辺施設
JR西日本 野々市駅
イオン 御経塚店
ケーズデンキ 金沢本店
石川県の大静脈・国道 157号線沿いの一帯。通りには多種多様な店が連なり、あらゆるニーズを満たしてくれる。
横宮町・若松町エリアの周辺施設
スーパーフリークス
野々市本店
ヴィテンののいち
nonoichi マルケット
地理的にも機能的にも、この一帯が野々市市の中心。市民の憩いの場が多く設けられている。後述するコミュニティバス「のっティ」も、すべての路線がこのエリアを拠点として運行している。
本町・三納エリアの周辺施設
野々市市役所
野々市市文化会館
フォルテ
スターバックスコーヒー
金沢野々市店
金沢工業大学を中心とする一帯。飲食店やマンション・アパートが立ち並び、まさしく学生街らしい風情を漂わせる。
扇が丘・高橋町エリアの周辺施設
金沢工業大学
扇が丘キャンパス
カレーのチャンピオン
本店
うつのみや金沢工大前店/
田井屋吉兵衛
県道 22 号線沿いの一帯。野々市市南部で買い物するならここ。建物も駐車場もやたらと広い店舗が並ぶ中に、これまた広い公園が設けられている。
新庄・上林エリアの周辺施設
イオン 野々市南店
ホームセンタームサシ
金沢南店
野々市南部公園
国道157号線・鶴来(つるぎ)バイパスの側。見渡す限りの田園風景の中に、県立大学のキャンパスが忽然と現れる。
末松・中林エリアの周辺施設
石川県立大学
金沢市民生協会
ときわ病院
末松廃寺跡
充実のバス網 車がなくても安心!?
と、ここまで紹介してきた野々市の住みやすさ。これを最大限に満喫するためには、やはりマイカーを持つのがおすすめだ。駐車場は月3,000~4,000円で借りられるし、外出先でも駐車場はとにかく広々!車社会最高!…とはいえ、車を持っていない人も引かないでほしい。野々市市の充実したバスの路線網をご覧いただきたい。金沢など市外へ行くのに便利な北陸鉄道バスに加えて、一律100円の運賃で市域をくまなく網羅するコミュニティバス「のっティ」や、市の中心部を南北に突っ切るシャトルバス「のんキー」が、市民の足として活躍している。
編集後記
2011年2月、私は石川県へ引っ越してくるために部屋探しをしていた。先方から提示された3つの物件、それらの住所はすべて「石川県石川郡野々市町」。「町」だなんて!きっと見渡すかぎり田畑や山林ばかりが広がっているに違いない。都会っ子の私がそんな環境に馴染めるはずがないではないか!まったく、ふざけるのも大概にしてもらいたいものだ。私は怒り心頭に達していた。 ところが実際に現地へ行ってみると、意外や意外、見るからに便利そうでキレイな街並み。紹介された物件も、洋室10帖+キッチン3帖で家賃4万2000円という驚きのリーズナブルさ。住み始めたと思ったらあっという間に市制へ移行するなど、今後もますますの発展が期待される街だ。人生で6回の引越しを経験している私だが、野々市はこれまで住んだ中で最も快適な街だ。ありがとう、栗貴章(あわたかあき)野々市市長。
<制作・文責>管次郎
<デザイン>かっくん
<監修>九条、みいはあ、タイプリュータ