今回の金沢ライフマップはなんと金沢を飛び出して、石川県小松市の「小松空港」を大特集!……え?金沢はも うネタ切れなのかって?とんでもない!小松空港といえば、金沢市民の生活、すなわち「金沢ライフ」に密接に関係する施設。ゆえにつじつまは合っている!だから早く本題に入らせろ!
革命戦士御用達、日本海側最多乗降客数
ということで、グランゼーラから南西方向へ車を走らせ 35 分。たどり着いたのは日本海側で最多の利用者数を誇るエアポート、その名も小松飛行場(通称:小松空港)。昨年(2011年)に 開港 50 周年を迎えた、歴史ある空港だ。全長 2700m・全幅 45mの滑走路を持つ小松空港。東は羽田・成田・札幌・仙台、西は福岡・那覇への国内線に加え、ソウル(仁川)・上海(浦東)・台北(桃園)へ行ける国際線も運行している。2010年の総乗降客数は 200 万人超。この数字はなんと日本海側の空港で最多だ。特に便数が多いのは羽田間で、毎日、往復それぞれ 11 便ほど運行している。革命戦士たちの東京出張の強い味方だ。
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羽田まで正味50分!
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日本の完全に中心に位置する石川県の空港だけあって、小松空港からはどこの地方 にも行きやすい。岡まで 85 分、羽田ま でなら 65 分(正味のフライト時間は 50 分ほど)で到着してしまう。そう、恐るべ きことに、東京出張の際は移動中に寝る間も十分にとれないのだ。
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羽田行きの所要時間と、人間の睡眠段階の推移を照らし合わせてみる。出発と同時に 睡眠に入ると仮定した場合、最も眠りが深くなったところで到着してしまうという残念な事態に。どうしても睡眠をとりたいと きは福岡行きがオススメ。ちょうど眠りが浅くなったときに到着するぞ。
なんでも揃うぞ!ターミナルビル
小松空港ターミナルビルはとっても便利で快適。記者が実際に取材してきた体験から、特に心を惹かれたスポットをご紹介しよう。
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ホットプラザ北陸
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やっぱりあります、マスコットキャラ
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小松空港のマスコットキャラクター「こまQ」。2002年に誕生したキャラクターで、その愛称は小松空港の空港コード「KMQ」に由来する。ゆるキャラが盛んにもてはやされる昨今としては、しっかりと練りこまれたキャラクター造形だ。
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航空プラザ、日本海側唯一の航空博物館
小松空港から徒歩7分の距離にある、石川県立航空プラザ。航空機の歴史・仕組みの解説から、本物の航空機の展示、さらにはフライトシミュレーターまで揃った、日本海側唯一の航空博物館だ。入館料はなんと無料。
本物の航空機!
航空母艦搭載用対潜ヘリコプター、三菱HSS-2B 哨戒機。屋外に展示されている本機は、1983年に製造され、1995年に用途廃止となった。
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本物のフライトシミュレーター!
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日本の空を守れ!日本海側唯一の戦闘航空団
石川県民の生活を便利にしてくれている小松空港。しかし、その役割はこれだけではない。 隣に併設された、航空自衛隊小松基地。そう、小松空港は自衛隊との共用施設であり、石川県民の、いや、日本国民の安全を守ってくれている空港なのだ。 小松基地は、日本海側唯一の戦闘航空団「第6航空団」を擁する、わが国の防衛上たいへん 重要な拠点。主力戦闘機F-15Jイーグルの2個飛行隊がいつでも発進できるように備えている。そのため、滑走路を共有する小松空港では、雪国・石川県に位置していながら、冬季でも悪天候のため離着陸できないという事態がほとんどない。共用による意外な恩恵だ。
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あの戦闘機の勇姿!
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小松基地では例年秋ごろに航空祭が開催されており、全国から数多くの航空ファンがつめかける一大イベントと なっている。F-15Jはもちろん、航空自衛隊の公式アクロバットチーム「ブルーインパルス」による曲技飛行などが観客の目を楽しませている。
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執筆余談
プロデューサーから今回のテーマを小松空港にすると命じられたときは、正直言って我が耳を疑った。小松空港なんて、どこにでもあるようなありふれた地方空港ではないか。こんなテーマで成立させることができるはずがない。しかも金沢じゃないし。ところが実際に調査を開始すると、出るわ出るわ、おもしろい事実や興味深いスポットが次々と。年間乗降客数が 200 万人以上ということにも驚いたし、小松空港が小松基地と滑走路を共有しているという事実すら、今回の調査までは知らなかった。ターミナルビルも驚くほどの充実ぶり。気づけば画像の数が歴代最多になってしまった。金沢ライフマップでネタに困らなかったのは初めての経験ではないだろうか。
小松空港を私が初めて利用したのは、昨年9月、東京ゲームショウ2011視察出張のときだ。金沢と東京の間は、地図のうえではそれほどでもないように見えるが、実際には高く険しい日本アルプスで隔てられている。しかし、われわれ人類は空を翔ける鉄の翼を獲得していた。はるか下方に飛騨山脈を眺めながら、東京・羽田ヘー直線。あっという間に到着してしまった。あまりの早さに、拍子抜けすると同時に感動すら覚えたものだ。この地にもしも小松空港がなければ、われわれにとっての東京出張は、それはそれは大変なことになっていた。ことによるとグランゼーラそのものが存在し得なかったかもしれない。
小松空港ーそれは、グランゼーラを育む母のような存在。ありがとう、小松空港。そしてこれからもよろしく。
<制作・文責>管次郎
<デザイン>かっくん
<監修>九条、みいはあ、タイプリュータ
<協力>小松空港、航空自衛隊 小松基地 第6航空団、北陸エアターミナル株式会社