兼六園の美~“六”つの景観を“兼”ね備える“園”~
兼六園は、石川県金沢市の中心部に位置する日本庭園。岡山県の後楽園、茨城県の偕楽園とともに、日本三名園と並び称されている。その名前「兼六」は、六つの優れた景観「六勝」をすべて兼ね備えているとされたことに由来する。六勝は、宋の詩人・李格非が「ひとつの庭園の中に兼ね備えることができない」として挙げた、
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という3組の相反する景観。そんな六勝すべてを兼ね備えた兼六園は、矛盾の壁を越えた、いわば超越的庭園と呼ぶことができるだろう。
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兼六園の歴史~グランゼーラの500倍~
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兼六園は、1676年に加賀藩の庭園として造られたのがその始まりである。2011年4月に設立したグランゼーラと比べると、実に500倍以上の歴史を誇るのだ(2011年11月現在)。
当初は「蓮池庭(れんちてい)」と呼ばれており、現在の「兼六園」という名で呼ばれるようになったのは1822年のこと。驚くべきことに、兼六園はその頃からほとんど変わらぬ姿を残しているという。江戸時代の雰囲気を現在に伝える存在としては、巷でバカウケのPlayStation?Homeラウンジ「大江戸(Oh!Edo)」と並んで両巨頭といえるだろう。
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兼六園のみどころ
広大な敷地を持つ兼六園は、すべてを見て回ろうとすると1~2時間はかかる。決められた順路などがあるわけでもないので、初めて見る人にとってはどこから見るべきか迷うところだ。そこで我々がおすすめするのは、園内で最も大きな池である「霞ヶ池(かすみがいけ)」周辺。この一帯には、代表的な名所がかなり集中しているのだ。
徽軫灯篭~左右非対称の美~
兼六園のシンボルとして知られる徽軫灯篭(ことじとうろう)。もともと二本脚の特徴的な形状だったが、何らかの原因で片方の脚が折れたため、石の上に片脚を乗せて絶妙にバランスを保っている。折れた脚は、今でも側の地面に横たわっている。
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根上松~高くせり上がった根の迫力~
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大小40本以上もの根が地上2mの高さまでせり上がった黒松。その昔、盛り上げた土に若松を植え、成長後に土を除いて根を露出させたものだと言われている。
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噴水~動力を使わない、日本最古の噴水~
霞ヶ池を水源とし、その高低差(約3.5m)のみによって水を噴き上げる噴水。したがって、噴き上がる高さはちょうど霞ヶ池の水面と同じである。日本最古の噴水であると言われている。
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兼六園に無料で入場できる裏ワザ(合法)
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兼六園の入場料は、大人300円、小人100円。その景観の美しさからすればこれでも安すぎるくらいだが、驚くべきことに無料で入場できる手段が存在した(合法)!なんと兼六園では、毎週土・日曜日を「県民鑑賞の日」として、石川県民に限り入場料を免除しているのである。週に2回分の入場料が浮くとすれば、1年間で3万円以上、50年間で150万円以上もお得な計算。このためだけに石川県に引っ越したとしてもきっと元がとれてしまうはずだ。
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